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2017年2月21日火曜日

先輩たちは今 2


 「お客様は単に物件を選んでいるのではありません。マンションであれば周辺の環境や街の雰囲気、またプライバシーはしっかりと確保されているかなど様々な要素を考慮しながらお探しされています。お客様がどのような条件をお持ちなのかを十分にヒアリングして企画案を立て、ご契約を締結頂けること。これがこの仕事のやりがいです」

 株式会社日住サービス本店営業部(大阪市北区)の男性=写真=は日々の業務についてこう語った。同社は昭和51年創業。JRや阪急の京都―神戸沿線から北摂、明石など36店舗を展開する。不動産売買や賃貸の仲介、管理、リフォームなどを手掛ける。



 大阪新卒応援ハローワークで就活し、昨年4月に入社した。賃貸仲介営業として賃貸マンションなど企業向け社宅物件を主に担当している。
 「お客様には経験豊富な企業幹部の方が多くフォロー(追客)は毎日、行います。私にとっては勉強になることばかり」と気を引き締める。

 法人営業の仕事は、企業担当者とコンタクトを取れるかがカギ。
 「物件案内のメールを送っても、ご興味をお持ち頂き、即ご返事を頂けることは極めて少ないです。だからこそ、どうすれば企業担当者から問い合わせのご連絡を頂けるのかを、いつも考えています」

 工夫したのは案内メールの本文だ。お勧め物件を箇条書きで紹介している。
 「お客様は部屋の間取りや設備、立地条件にご関心を示されます。それを2―3行で簡潔にまとめ「おススメです」と発信します。やはり具体的に書くとお客様からのご返信率は高くなりました」

 本店の扱うエリアは広く、物件の案内に車を使う。安全第一とともに気配りも大切にしている。それだけに、契約に至らなかった時のショックは大きい。
 「案内の方法がまずかったのか、ヒアリング不足か…。これまでの自分の手法を見つめ直すいい機会です」と省みる。「他社との競争もある。やはり負けたくない」。そんな意地が垣間見えた。

 営業の仕事で特に感じるのは「プレゼンテーション能力がますます必要とされる」ということだ。
 「物件の資料作成や現地での案内、お客様の思いを把握し、ニーズをどう企画書に落とし込むか。書いて伝えるコミュニケーション能力そのものが問われています」
 「社内の先輩は厳しいと同時にしっかりと基礎から教育して下さいます。そんな温かい社風がいいと思います」

 営業志望の就活生にはこう伝えたい。
 「ルート営業なのか、新規開拓があるのか。各社によってスタイルは違います。自分はどんな営業マンを目指すのか、しっかりと見極めた上で選考に臨んで欲しいと思います。仕事で必要とされるコミュニケーション能力は、学生なら大学のゼミ活動の発表で磨いておくのも一手ではないでしょうか」

 多くの人々との出会いが将来、どう実を結ぶのか。営業職の醍醐味でもある。

◆                ◆

「面接で本社を訪れたら開口一番、『いらっしゃいませ』の大きな声。なんて快活な会社なんだろう。その時、直感したんです。絶対、この会社に入社するぞって」
 建設機械のレンタルや販売、サービスを提供する守口市の奥村機械株式会社。昨年4月に入社した事務職の女性は初めての印象をこう振り返った。

 経理グループに配属された女性=写真左=は振り込みや各種入金の照合を担当する。珠算1級、暗算2級、簿記3級の実力を仕事に生かす。総務グループの女性=写真右=は給与計算や新卒・中途採用者の入社手続き、作業服やヘルメットなど備品の注文に携わる。2月に開かれた大阪新卒応援ハローワークでの会社説明会・レギュラーマッチングブースにも採用担当として参加、多くの就活生と出会った。「突然の訃報が入ると、会社名で弔電をうったり、年末調整にも携わります。総務はあらゆる仕事をこなす部署です」と話す。



 入社当時、戸惑ったのが電話応対だ。2コールでとらねばならないが、思わずためらった。
 「電話の声が早口で会社名が聞き取れない。社員の名前もうろ覚え。そんなところに内線、外線がじゃんじゃん鳴る。電話を取ってもメモすらできず、どうすればいいのか…」
想像以上の忙しさに、事務職の厳しさを実感したという。

 誇れるのは社風だ。「明るい雰囲気で風通しが良い。先輩ともよく言葉を交わします」。仕事の手順で悩んだり、疑問があっても、質問しやすい雰囲気がある。「職場はやはり人間関係が大切です。だからこそ、若手が笑顔で元気よく」を率先している。

 事務職は狭き門。若干名の採用に多くの女子学生が殺到する。どのように突破したのか。

 総務の女性は志望動機にあえて事務とは書かなかった。「むしろ社風の良さを強調しました。弊社の社是は『さあこれからだ』。未来志向で、若手にも仕事を任せる。そんな雰囲気に惹かれました、と」。経理の女性は「私の強みは数字に強いこと。資格の取得で培った能力で貢献できますと伝えました」

 未内定で焦りを感じている就活生には、この言葉を伝えたい。
 「自分に合う会社は必ずある。だから諦めないで欲しい。私たちはここ、奥村機械でした」

 大阪新卒応援ハローワークは、当所を利用して就職した若者の職場を訪ねインタビューする「定着支援事業」を実施している。皆さんの先輩が今、何に悩み、何にやりがいを感じながら仕事に打ち込んでいるか。生の声をお伝えする。

                                              (学ハロ大阪新聞編集担当)

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