「留学で身に付けた英語力。それが生かせる仕事に大阪新卒応援ハローワークで出合えた。諦めず就職活動を続けてきて本当によかった」
安全カミソリやシェービング製品、メディカル製品の製造販売会社に就職が決った女性は笑顔でこう振り返った。
米国・ハワイの大学を卒業後、帰国。今年1月から就活を本格化させた。地元関西での就職を望み当所に登録、さっそくJS(ジョブサポーター)の個別支援を受ける。
苦労したのは日本の大学卒の就活について全く知識がなかったことだ。例えば会社の筆記試験である。
「私はセンター試験など、日本の大学受験の経験がない。ところが企業の一般教養には文学歴史や政治経済、漢字の書き取りに作文など大学受験の延長線上にある問題が多数、出題される。帰国後の短い期間では、十分な対策ができなかった」。結果、1次面接は通過しても次の筆記試験で不採用になるケースが続いた。
このため、JSから筆記試験対策を効率的に行うノウハウを聞いた。合わせて、自己PR書や面接では、異文化間で鍛えたコミュニケーション能力を全面に出した。
「例えば、留学先ではパソコンの講師として現地の若者からお年寄りまで幅広い年代を担当した。教室では、それぞれの生徒が何を望んでいるかをしっかりと把握し、彼らのニーズに合わせた説明と実践を心掛けた。国籍は違っても、英語という言葉が人間関係を紡いでくれる。慣習や文化の違いに戸惑いながらも気持ちが通じ合った喜びを実感できた」―。面接ではその思いを素直に伝えた。
「私の強みは臆せず、だれとでも会話ができるところ。そこを企業が評価してくれた」。
職場では、事務や営業で得意の英語力と異文化間コミュニケーションで得た丹力が生かせる。
「留学で得た全てのことを、仕事に生かせるようまだまだ頑張らないと」。眼差しはしっかりとあすを見つめている。
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「システムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)の仕事は企業や社会を根底から支えられる仕事だ。分野も幅広い。そこに魅力とやりがいを感じた」。関西大学出身の男性は仕事への意欲をこう強調する。
大学卒業後は大手新聞社に入社した。販売担当として部数の拡張から顧客管理、販売店の運営などに携わる。新聞業界は広告売り上げの落ち込みや若者層の新聞離れを背景に、経営面で厳しい状況が続く。
「業界の先行きが不透明な中、仕事はどうなっていくのか」。ICT業界への転職は将来を見据えた上での決断だった。「新聞社でも読者である顧客管理は大切な業務。以前、データベースのトラブルがあり、ITシステムの重要性が実感できた。今度は自分がPGやSEとして企業を支えたい」
強みは、新聞の販売業務で培った気持ちの強さと読者が何を望んでいるかをしっかり掴む顧客目線である。
「新聞を一部増やすには、どれだけの努力が必要か。購読を断られてもめげない、折れない。仕事を通じメンタルの強さが鍛えられた」
大阪新卒応援ハローワークでは、会社説明会のレギュラーマッチングブースを軸に活動した。
「経営者や人事、営業の方が語る生の言葉や醸し出す雰囲気は、社風を知る一番の手がかりになる」。
重視したのは未経験者でも育てようとする社風かどうか。「次の会社では一生、勤めあげる気持ちでいる。若手が生き生きと働ける環境こそ、企業が成長する条件だ」。職業訓練を受けながら、当所では書類の添削や面接対策に力を入れる。
内定した企業ではソフトウェア開発に携わる。「業務系のシステムからカーナビ、スマートフォンのアプリ開発、AIまで幅広い業務に関わる。説明会で伺った丁寧に指導するという言葉にも惹かれた。仕事はハードだと思うが、新聞の販売で鍛えられたメンタルの強さがあれば、どんな困難も乗り越えられる」
その意気や良し、である。
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大阪新卒応援ハローワークを利用し意中の企業に内定した若者たち。就活中はどんな思いで相談や面接に臨んでいたのだろうか。彼らの等身大の姿をお伝えする。
※掲載については、ご本人の了解を得ています。
(学ハロ大阪新聞編集担当)